モバイルゲーム会社のPR需要の変化
スマホ端末の普及が急速に進んでいた数年前は、スマホゲームPRの至上命題は、大量リーチにより新規ユーザーをできるだけ安く獲得するということであった。
そのプロモーション手法はリワード広告を出稿してランキングを上げ、上位ランキングで該当のタイトルを認知したユーザーの自然流入を獲得しつつ、CPCスマートフォンアドネットワークに予算を投下してリーチを幅広く取るというもの。
だが現在はスマートフォン端末がユーザーに広く行き渡り、多くのユーザーがスマートフォンゲームで遊んだ経験がある状況となった。新規ユーザーの獲得が難しくなり、例え他社のゲームからユーザーを奪ったとしても、継続率が悪いのが現状である。実際のところ、(セガネットワークス 上席執行役員 事業本部長の)岩城氏の話しによれば、ゲームアプリのプレイを開始し、30日後も続けている方が10~20%である。
そこで、ユーザーと中長期的な関係を継続し、安定した収益を得るために、スマホゲーム会社のPR需要は従来の「新規ユーザーを爆発に増やす」から「質のいいユーザーを獲得する」ということに変わり始めた。
同じく岩城氏の話によると、一度離れたプレイヤーが再度同じゲームを遊びはじめた場合、約30%の方がゲームプレイを継続することが、セガネットワークス(のゲームタイトル)を対象とした調査で分かったという。
これを背景に、ユーザーの継続性を考えた上で広告配信をすれば、アプリリターゲティング配信(既存かつ休眠ユーザーに対し、アプリ内のイベントページに誘導したりする配信)
は有効だと考える。そしてディープリンク*を利用することで、よりユーザーの離脱率が低くなる。
このようなトレンドを先取りし、2015年に入り、各スマホ広告大手事業者が新しいリターゲティング広告商品をリリースした:
アイモバイルはサイジニアと共同開発したパーソナライズリコメンド広告アイレコ1を1月14日にリリース
ファンコミュニケーションズは、2月2日に同社のスマートフォン広告プラットフォームnex8においてダイナミックリターゲティング広告2をリリース
サイバーエージェント アドテクスタジオは、1月9日にスマートフォンゲームアプリに特化したダイナミックリターゲティング広告Dynalyst for Games3を、2月10日にはスマートフォンのWeb、アプリ面を横断した配信が可能なリターゲティング広告をリリースした。
注
*: ディープリンク:いままでの「アプリの広告をクリックするとApp StoreやGoogle Playなどのアプリダウンロードページに遷移する」過程と異なり、ディープリンクを利用すれば、アプリ内のキャンペーンページなどに直接誘導することができる。
1 http://promotion.i-mobile.co.jp/i-reco/index.html
2 http://www.fancs.com/news_release/2015/02/02/2666
3 http://www.cyberagent.co.jp/files/user/pdf/150109dynalystforgames.pdf
情報源:
http://www.fancs.com/pr/archives/2549
http://www.exchangewire.jp/2015/02/12/news-mobile-platform/
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